恋口の切りかた
「もとは農民の出とは言え、格式ある先法御三家の養女に、側室を辞すようにと言い渡したんだ。

これほどの重い処分もないだろう?」


殿は周囲の人間を見回した。


「結城家への処分はこれで終いじゃ。

家禄もそのまま、晴蔵や円士郎にも咎めはなしとする。それでよいな」


「妥当でありましょう」

と頷いて、菊田水右衛門が濁った目を面白そうに細めた。
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