恋口の切りかた
戦慄する俺を
フフン、と鬼之助は嘲笑って、

「心配するな。刃は全て殺してある。
ボクも、道場破りで真剣勝負なんて考えていなかったからな。

……と言うか絶対オカシイだろ、この流派」


いや、鎧にこんな物騒な仕掛けを施すような奴には言われたくねえけどな。


他流試合が真剣勝負にもつれ込むことなんて珍しくもないだろう。

他流試合を真剣勝負に限定しているのは──まあ多少は珍しいかもしれないが。


「ボクの開発したこの新作の鎧は、この無数の刃を使って
装着したまま、人間には不可能な速さと動きで
自動的に攻撃を繰り出すことが可能なのだ!」


勝手に動くカラクリ人形の話は聞くが、それを鎧に組み込んだってことか?


しかし今の話にはやや気になる点が……


「新作って──お前、これ使うの何度目だ?」

「初めてだが?」

俺の問いに胸を張って答える鬼之介。



……やっぱりな。



鬼之介は俺との間合いを慎重に測って立ち、

「距離良し! 方向良し!
さあ食らえ! カラクリ鎧千刃観音の舞!」

そう叫び、

首のところの紐を引いた。

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