君があたしにくれたもの
夏休み初日。
だらだらとリビングでテレビを見ていた彩夏の携帯が、気分とは裏腹に、最新のやたらハイテンションな夏歌を鳴らした。
「だれやろ??」
ノロノロと机の上の携帯をとり、開く。
そこには、久々に見る名前があった。
少しだけ緊張しながら、彩夏は通話ボタンを押した。
ピッ
「もしもし」
「あ!彩夏ー??」
ハイテンションな声が耳元で響いて、思わず彩夏は携帯から耳を話した。
「せやけど、どないしたん?久々やん。電話かけてくるなんて」
「そーいえばせやなぁ!ってか、それより、彩夏今日暇やったりするー??」
「暇やけど」
「じゃあさ、野球見に行かへん?」











この日、球場に行ってなかったら、あんたの存在すらも知らへんままやったかったかもしれへん。
行ってよかったなって、今なら心から言えるよ。














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