【短】涙が出るほど好きだった
何分無言で歩いただろうか。
何分足音だけが鳴り響いただろうか。
負けないって…決めたじゃん。
それに
まだ奏くんの”答え”を聞いたわけじゃない。
「…ねぇ…奏クン。」
奏くんと一緒にいたい。
これからもずっと。
その願望は日に日に強くなっていく。
「あたしさ、…バレンタインの日にね…。」
「すっごいサプライズ用意して…。」
”すっごいサプライズ用意してるからね!”
そういい終わる前に気づいた。
彼の目はあたしのもとに向いてない事。
奏くんの視線ははただ…
ここにはいない彼女の姿を追いかけていた。