キラめく堕天使

「ビックスが身につけた石は、ビックスに上級魔族に匹敵するほどの力と絶美さを与える代わりに自身もビックスによって強大なる力を与えられるの。

あたしはその力が欲しかったの。

その力がなければ、安住の場所である監獄から出られなかったから」

「だから、石をジュランから奪ったの?」

 頷いたエレナを、オレの右手はひっぱたいていた。

 ハッと我に返ると、声を抑えて泣きくずれているエレナが目に入った。

「ごめん」

「いいえ。あたしが悪いの。

ピアスを取り返しに行くのなら、手伝わせて。

あたしからピアスを取り上げたゴブリンはお城にいるわ」

 城?

 この岩壁の上にあるやつだろうか。

「それで、君はゴブリンから逃げてきたの?」

 エレナはオレが支えている腕をそっと片手でのかせると、後ろの壁にもたれた。

「そうよ。銀髪を気に入られて、もう少しでヤツのお人形にされるとこだったけど。

逃げたの。

あたしをお人形にするお酒を取りに行ったまま、そのゴブリンは帰ってこなかったのね。

ゴブリンは忘れっぽいから。

あたしを閉じ込めていることも忘れていたんじゃないかしら。

ピアスを奪ったことで有頂天になって、余計他のことに気が回らなかったのかもしれないわ」

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