キラめく堕天使

 オレは剣を抜き、その力で引っ張られたゴブリンが倒れてくるのをかわしながら訊いた。

 返事は無かった。

 ゴブリンの持っていたランプが落ちて大きな音をたてて割れ、火が燃料に燃え移った。

 岩で出来た床に燃え広がる。

 オレはその炎を避けながら思った。

 こいつは明らかに、ルナに聞いたフィックスとは感じが異なる。

 黙ってオレに身体を乗っ取らせておいて、時々手助けまでしてくれる。

 どうしてなんだ?

「何を言ってるの?」

 後ろでエレナが言った。

 エレナには当然のコトながら、オレの中に誰がいるのか見えてない。

 オレにすら、見えてないんだから。

「何でもない」

 炎が燃料をなめつくし、小さくなったので、乗り越えた。

 もう、次の炎が迫ってくるのがわかった。

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