都の春

仮病










「少納言、久しぶり。」



私は里屋敷に帰って参りました。









《中宮様。

お久しぶりにございます。


若宮様はお元気ですか?》









「元気よ。

ヨチヨチ歩いて…


帝も可愛がって下さっています。



それより…

兄上はいかがしたのです?」






《数日前がお顔の色が優れず、お食事も殆ど召し上がられません。


内大臣様は、御祈祷だけでは心細いと仰り…


仁鹿寺の御室の性祥法親王様にお詣りをして頂くという事にございます》






「そう…

兄上に逢う事は叶いますか?」








《権中納言様は歩ける状態ではございません故、中宮様がお出向きになられるか…》





「御簾越しでも構いません。

私が出向きます」









《わかりました。

手立てを致します》









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