都の春



〜春香side〜












里屋敷からの急な使者。








何でしょう…






使者はしゃべる。








『浅川宮家より使者で参りました。

兄上であられる権中納言靖仁親王様が急病で、ご重体だそうです』








「兄上が!!


父上…
内大臣はどうしているのです?」








『この文には、権中納言様がご重体で、御祈祷が木部誠涼殿によって行われる事。

中宮様には、帝に里下がりを申し出て里屋敷に帰って来て下さるようにとの事です』







「わかった。

ありがとう」








私は兄上がご重体の知らせを聞いて、そう使者に言うのが必死でございました。











私はすぐに清涼殿におられる帝に文を書き、里下がりの準備を女房に命じました。
















帝には


《権中納言はいずれ、我が御子の後見になる人故、中宮には里下がりを許可する。


中宮よ、気を確かに持ちなさい》




とのお優しい文を頂き、私は里屋敷に帰りました。








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