都の春



「俺は10歳の時…

叔父の養子になった。


実父は父上の、弟でな…


父上は一人娘の春香しか御子がおらず、世継ぎがいなかったんだ。







春香は……




9歳だった。







綺麗な姫君だった。











〜俺が13歳の時〜

春香に入内の話がきた。

父上は野心家でな。


摂関家と手を組んで、春香を入内させようとした。





俺がこの傷を負ったのも、そんな中でだ。


春香が入内するなら、俺は元服しなければいけない。」







『元服ってなんどすか?』




「大人になることだ」



『13歳なのに!』



「そうだ。



そして、






俺は元服した。




だか……


俺は春香を妹以上に愛していた。



だから七条家、摂関家の一つなんだが…

一の君との縁談を断った。




一生妻を娶らないと言ってな。




宮中では、俺は男性機能が不能という事になっている。







幻滅しただろう?


妹が好きなんて…」






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