あしたも来年も
親の反対押し切って入った大学。
仕送り一切なし。
入学金は実家に借金して、毎月分割で返済。
その他学費は自分で。
を、条件に人生初の独り暮らしをすることになったのが18の時。

生活ってもんを甘く見てた俺は、入学と同時にそれを思い知った。

学校行く暇も無くバイト・バイト。本末転倒ってコトバは一応大学生だし、そりゃ知ってた。…けど、メシは食わなきゃ体動かねえし、大見栄切った手前、毎月返す金を親に待ってくれとも言えねえし、大家が親父の知り合いじゃ家賃滞納もできねえし。
…等等、俺にも色々事情があって、働きまくってるうちに



「学生じゃなかったら今すぐにでもうちの営業に欲しいんだがなぁ。どうせ行ってないなら辞めてうち来ないか?いや、冗談じゃなくて真剣に」



バイト先のひとつの居酒屋の常連、少なくとも日本人なら誰でも知ってる大手企業の社長に気に入られてた俺は「どうせ行ってないなら」の一言に返す言葉も無く、中退・入社した。

中退の報告をした時は電話口で激怒してた親も、就職した企業の名前を聞くなり態度が一変。借金はチャラにしてやるから実家に帰ってこいと言うのをどうにか説得した






ーーーーと、まぁ。そんなんが今から10年前の話だ。



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