荊姫~第二章~
「……どうかしたんですか?」

「……誄華さんと呼ばれるのが少し、寂しいと思いまして……」

誄華さんは苦笑いした

「……じゃあ、なんて呼べばいいですか?」

「呼び捨てでいいですよ、紫苑殿のことも、裂殿のことも」

「よ、呼び捨てなんて、そんな……」

私は、皆さんを呼び捨てにすることを

少し躊躇った

「いいんですよ、さん付けで呼ばれるときお二方がとても寂しそうな顔をしてますから」

……少し驚いた

裂さんも紫苑さんも、そんなそぶりを見せてなかったから……
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