虹色に変わる恋
さりげなく名前を聞き出そうと話しかけてみる


「あ、相川菜月(アイカワナツキ)です」


彼女は名前を言うと、可愛らしく微笑んだ


「誰もいないけど、良かったら…飲みますか?」


俺は彼女をカウンターに案内した


彼女のコートを預り、店の隅のハンガーにかける


「ようこそ…」


俺はおしぼりを差し出し、メニューを渡した


「あの…風邪、引きませんでしたか?」


「俺はこの通り!君は?」


俺は名前を呼ばずに、あえて君と呼んだ


「私も大丈夫です」


「何か決まりましたか?」


「オススメを…」





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