キャンディ
車は波止場近くにある巨大なコンテナ置き場に着いた。

一つ一つのコンテナには会社名やロゴ、そして番号などがふってある。

そしてその積み上げられたその数は、優に百を超えた。

ルイはどうせ殺されることはわかっていたが、くまのぬいぐるみの謎を考えずにはいられなかった。

足の悪い男がもう一度ルイに聞いた。

「さぁ、最後のチャンスだ。みつけたら生きて日本に帰してやるよ。」

― 嘘だ。

「俺に任せてくださいよ。」

サザナーズ‐アクセントの男が言った。

「それはいいが、脳みそと口は利けるようにしとけよ。」

すると男はいきなりルイの顔を平手で叩いたかと思うと、馬乗りになりルイのシャツのボタンを『ポツッ、ポツッ』とちぎりながら破いた。

半分、下着だけになったルイに男が言った。

「女にはこうするのがいいんだよなぁ。」

すると自分のスラックスをぬぎ、他の男たちの目など気にもせずルイの下半身をまさぐった。

叫ぶことすらできないルイは必死で抵抗したが、まだ傷が完治していない左肩を強くにぎられ、体中の力を抜かれた。

気を失うような痛みとその瞬間だ。

いや、その実、いっそ気を失うことができたらルイはまだ救われていただろう。

周りでそれを見ていた丸坊主の男は、気弱そうに目を伏せたが、イーサンは退屈そうにタバコに火をつけた。

下着まで剥ぎ取られそうになったルイに、ケビンが冷たい声で言った。

「ルイ、心当たりが無いのかい?その男に本当に入れられちゃうよ。」

ルイは首をふりながら抵抗を続ける。

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