雨に恋した華
「いえ……。何でもないです!今日は、本当にありがとうございました」


結局、自分の気持ちを飲み込んだ代わりにもう一度お礼を言って、さっきと同じように頭を下げた。


虹希さんは、一瞬だけ何かを考えているような表情を見せたけど…


すぐに、また柔らかい笑顔を見せた。


「じゃあ、気をつけて」


あたしは小さな笑みを見せて軽く手を振った後、踵を返して去っていく虹希さんの背中をずっと見つめていた。


勇気を出せなかった自分(アタシ)を、恨めしく思いながら…。


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