雨に恋した華
約束の時間が近付く度に、胸のドキドキが激しくなっていく。


落ち着かない気持ちでアイメイクをした後、髪を緩く巻いて唇に色付きのリップを塗った。


鏡の中のあたしは、いつもよりもほんの少しだけ大人びた顔をしている。


「よしっ!!頑張れ、あたし!」


自分に喝(カツ)を入れ、散らかっている部屋を急いで片付けてから、必要な勉強道具をバッグの中に入れた。


そして…


鏡で自分の姿をチェックし、リビングにいた両親に図書館で勉強すると言って家を出た。


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