雨に恋した華
「……紫ちゃんの手作り?」


「はい……。お口に合うかわからないけど……」


虹希さんに訊かれて恥ずかしくなったあたしは、俯きながら小さく答えた。


「わかってないな……。そういう所がいじめたくなるんだよ」


「え?」


顔を上げたあたしが、虹希さんを見ながら小首を傾げると…


「紫ちゃんって、鈍感……」


彼は、眉を寄せながら言った。


何それ……


何となく子供扱いされている気がして、悲しかった。


だけど…


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