雨に恋した華
どうして、こんな風になってしまったんだろう…。


あたしは虹ちゃんの事が本当に大好きで、彼も確かにあたしの事を想ってくれていたハズ。


千晶は昔からずっと、健一の事が好きだったのに…


その彼が、自分(アタシ)の事を好きだなんて思いもしなかった。


それぞれの想いが深く入り混じって、がんじがらめになる。


まるで、底無し沼に飲み込まれていくみたいだった。


交錯する恋に為(ナ)す術も無く、あたしの心は着崩れた浴衣みたいに静かに崩れ落ちていった。


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