雨に恋した華
始まった恋……


この恋は、あたしの中ではもうとっくに始まっている。


だけど…


自分から行動しなければ、きっと彼に近付けるチャンスなんて巡っては来ない。


彼に近付きたい……


彼への想いとその気持ちが、あたしの中の何かを動かした。


「……あたし、行って来る」


あたしは真剣な眼差しで言って、ゆっくりと立ち上がった。


「頑張れ」


優しく微笑んだ千晶に大きく頷いてから、トイレの方に向かった彼の後を追った。


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