雨に恋した華
「紫、ほらっ!!チャンスだよ!早く行って!」


そう言った千晶は、興奮を隠せなかったみたい。


一応、小声だったけど、明らかに興奮を含んでいた。


「で、でも……」


「チャンスは何度も巡って来ないんだよ?彼に近付きたいなら、自分から行動しなきゃ」


千晶は優しい笑顔で言った後、あたしを真っ直ぐ見つめた。


そして…


「せっかく始まった恋なのに、何もしないまま簡単に終わっちゃってもイイの?」


続けて、真剣な表情でそう訊いて来た。


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