グリンダムの王族
その後ラルフはまた密かにアランを呼び寄せた。
アランすぐに王の部屋へと現れた。

「そろそろ動くぞ。あいつを近衛騎士隊長に昇進させる。
その後あいつがどう動くかに関して、お前に見張りを頼みたい。
恐らく誰かと接触するはずだ」

アランはその言葉に、「かしこまりました」と応えた。
そしてふと思い出したように口を開く。

「彼はかつて鷲を使ってゴードに手紙を送っていると言っていました。
今考えると、それが連絡手段だったのではないかと思うのですが」

ラルフが一瞬動きを止めた。
そしてゆっくりと笑みを浮かべた。

「、、、いい情報だ」

彼はそう呟くと、

「鷲を追いかけるというのも無理な話だ。
そういうことなら接触はないだろうな」

と、独り言のように言った。

「鷲ね、、、」

ラルフはそう呟きながら、綺麗な緑色の目を宙に向けて何かを考えているようだった。

アランは何も言わずに、そんな王を見ていた。
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