グリンダムの王族
「どうもしない」

素っ気無い返事が返ってくる。
もう必要はないということだろう。
予想通りの回答に、カインは思わず苦笑した。

「じゃ、いただきます」

弟の言葉にラルフは、「どうぞ」と一言言って背を向けた。

セシルはそんな兄の背中を見送りながら、

「たまに怖いわね、実の兄ながら」

と呟いた。
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