グリンダムの王族

その頃、3兄弟の真ん中の王弟は、城から少し離れた場所に建つ、小さな宮殿から出てきたところだった。

兄と同じブラウンヘアで、耳や襟足にかかる髪が彼の歩みに合わせて小さく揺れている。

兄と同じ切れ長の瞳は、やはり同じように綺麗な緑色をしている。

彼が出てきたその宮殿は王の後宮だった。兄である王ラルフには正妃が1人と、5人の側室が居る。その側室達が生活している宮だった。



渡り廊下を歩くラルフの目に、遠くからカインがやってくる姿が見えた。

方向からして自分の後宮にまた遊びに行っていたに違いない。カインはラルフの姿をとらえると、足早に駆け寄ってきた。

「議会終わった?それじゃ、狩に行こうぜ」

笑顔でそんなことを言われ、ラルフは苦笑した。

「遊んでいる場合じゃない。今日はファラントの王子を迎える日だぞ。お前も準備をしろ」

カインは兄の言葉に、「あぁ、そうか、今日だったか、、、」と独り言のように言った。

「でも俺関係ないしな」

ラルフは首を振った。

「関係ある。可愛い妹の結婚相手だぞ。晩餐会には出ろよ」

カインは、「はいはい」と適当な返事をする。

ラルフはそんな彼を見ながら、

「また俺の後宮に行ってきたんだろ?姫君達は元気だったか?」

と聞いた。
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