グリンダムの王族
マリアがセシルの側に到着した。
「セシル様。ファラントのクリス王子を迎えるお支度を致しませんと」
「分かってるわよ」
セシルはそう即座に言った。
「すぐ部屋に戻るから、先に行ってなさい」
マリアは戸惑いつつも頭を下げ、またもと来た道を引き返して行った。
セシルはそれを見送ると、目の前の騎士に歩み寄った。彼の首に両腕を回して背伸びをし、その唇に唇を重ねる。
騎士も剣を持たないほうの腕を彼女の細い腰に回すと、その体を支えるように抱きしめた。
唇が離れると、セシルは彼の目を見つめた。
「アラン、、、今夜、来て」
囁くようにそう言うと、アランと呼ばれた騎士は目を丸くした。
「今日はファラントの王子が到着する予定だと聞いていますが」
セシルはちょっと笑った。
「大丈夫。晩餐会の後なら。そんなに遅くならないから」
―――そういう問題だろうか、、、。
騎士は思いながら目の前の美しい姫を見た。だが、特にそれ以上は言わずに、「かしこまりました」とだけ応えた。
アランは近衛騎士隊に所属する騎士であり、現在28歳である。
セシルが幼い頃から剣の稽古の相手をしてきたが、いつの間にか男としても彼女の相手をする立場となっている。
とはいえ、人目をはばかる禁断の恋なのかと言われると、そういうわけでもない。
セシルに興味を引かれて呼ばれる男達の中で、自分が一番長く続いているというだけだ。
そんな姫様の好き勝手な行動は、特に問題になることもなく黙認されている。
セシルはもう一度アランにキスをすると、「じゃぁね」と言って走り去って行った。
困った姫だが、どうも憎めない。アランはその後姿を見送りながら、ふっと微笑んだ。
「セシル様。ファラントのクリス王子を迎えるお支度を致しませんと」
「分かってるわよ」
セシルはそう即座に言った。
「すぐ部屋に戻るから、先に行ってなさい」
マリアは戸惑いつつも頭を下げ、またもと来た道を引き返して行った。
セシルはそれを見送ると、目の前の騎士に歩み寄った。彼の首に両腕を回して背伸びをし、その唇に唇を重ねる。
騎士も剣を持たないほうの腕を彼女の細い腰に回すと、その体を支えるように抱きしめた。
唇が離れると、セシルは彼の目を見つめた。
「アラン、、、今夜、来て」
囁くようにそう言うと、アランと呼ばれた騎士は目を丸くした。
「今日はファラントの王子が到着する予定だと聞いていますが」
セシルはちょっと笑った。
「大丈夫。晩餐会の後なら。そんなに遅くならないから」
―――そういう問題だろうか、、、。
騎士は思いながら目の前の美しい姫を見た。だが、特にそれ以上は言わずに、「かしこまりました」とだけ応えた。
アランは近衛騎士隊に所属する騎士であり、現在28歳である。
セシルが幼い頃から剣の稽古の相手をしてきたが、いつの間にか男としても彼女の相手をする立場となっている。
とはいえ、人目をはばかる禁断の恋なのかと言われると、そういうわけでもない。
セシルに興味を引かれて呼ばれる男達の中で、自分が一番長く続いているというだけだ。
そんな姫様の好き勝手な行動は、特に問題になることもなく黙認されている。
セシルはもう一度アランにキスをすると、「じゃぁね」と言って走り去って行った。
困った姫だが、どうも憎めない。アランはその後姿を見送りながら、ふっと微笑んだ。