闇の過去と光の未来
第一の出会い
オレには今彼女がいる。直子という娘だ。

自分は男子校なので彼女がいる人はかなり少なかった。彼女がいるというだけで物凄く騒がれたし、その彼女が可愛ければ尚更だ。まぁ多少可愛くなくとも周りの友達は羨ましがっていた。

そんな光景を何度か見てきた自分は“彼女が欲しい”と言うよりも、彼女がいるということによって“注目を浴びたい・騒がれたい”と考えていた。

だがここまで自分の考えをもっていながらも彼女を探そうとは思わなかった。

学校も男子校でアルバイトもしていない。ネットを通じてというのにも抵抗があり自分には出会いの“で”の字も与えられなかった。

そしてある日事は急に起こった。街をフラフラと歩いているとクラスの友達の渡邊というやつから電話がきた。

お互いに挨拶を軽く交わすと渡邊がこう言った。「お前今彼女いないよな?」自分は悪かったなと言わんばかりの口調でいないと答えた。

すると渡邊はほっとしたような声で「女友達が誰か紹介してくれって言うんだがどうだ」…と返してきた。
願ってもないチャンスにしばらく言葉を失った。しばらくの沈黙のあとなるべく冷静をよそおいながら…仕方ないなと言わんばかりの口調でokを出した。

結局近いけどそこまで可愛くない娘と遠いけど可愛い娘のどちらがいいかと聞かれ、「遠いけど可愛い娘」を選択した。

そう。これが最初に書いた直子である。

強がりの自分を悔やむこともせず心の中は素直に紹介をよろこんでいた。

渡邊の話によると野球が大好きらしい。自分もきちがいのように野球が好きなので付き合えたら一緒に観戦でも行こうか等と考えていた。

好きな球団もジャイアンツと同じと聞いてにやけている自分がいた。

どんなことを話そうか迷っているとさっそくメールがきた。

次回へ…
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