ばうんてぃ☆はうんど・vol.3~ほーんてっどほすぴたる《改訂版》
「ベガス来る前より、減ってんじゃねえか……」
「そうだな」
 思いっきり深いため息。
「もう、キレる気力もなくなったぜ……」
 ダヴィドフを1本。酒がねえなら、タバコでも吸ってねえとやってらんねえ。
「倹約のために、タバコをやめたらどうだ?」
「勘弁してくれ。これでタバコまで取り上げられたら、マジで発狂しちまうよ」
「そうか。吸わない僕にはわからないが」
「旅の資金を、あいつに頼らなきゃならんとはな。情けねえ話だ……」
 あかりの方をちらり。他の連中はトーキョー・スタイルで食ってるが、あかりだけは普通にパクパク食ってやがる。にもかかわらず、他の誰よりも早い。明らかに両隣のデクノボウが、あかりを見てテンパってやがるのがわかる。
 ベガスを発つ前に、あかりがどうしてもピンクス・ホットドッグを食いてえってんで店に来たわけだが、そん時ちょうど早食い大会のエントリーをやってた。バックにスポンサーがついてるらしく、優勝者には賞金10,000ドル。その場ですぐに申し込んだ。こうでもして稼がねえと、バラクーダを停めてるロサンゼルス港まで帰ることもできねえ。
 いくらでもホットドッグが食えるっつって、あかりもノリノリだった。
「とりあえず、残金プラス10,000ドルは間違いねえな」
「そのようだ。今回はあかりに助けられたな」
 エントリーナンバー3のデブが、口にソーセージ突っ込んだまんまひっくり返った。リタイアだな。
「一生言われそうだな。『あんたたち助けたのは、あたしなんだからね。このあかりちゃんに、ちょー感謝的な態度とりなさい』とか」
「そういう相手のことは、ジャパニーズではなんと言うのだった?」
「『UZAI』だ」
「そうだった。記憶しておこう」
 几帳面なやつだ。
「ところで、例の機材の出所はわかったのか?」
 真面目な目つきで聞いてくる。もっともこいつは、いつでも真面目だが。
「ああ。こいつだろ?」
 足元に置いたバッグから、アイア○マンの脚みたいな真っ黒い機械を取り出す。
「あかりに調べてもらったらわかった。思った通りこいつは、米軍のパワーアシストスーツのプロトタイプだ。もちろん、表には出せねえやつ」
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