とりあえず、

「おはよおミドリー。」
「…はよ。」

だるそうにかばんを肩に提げて
近寄ってくるチャラ男。
こいつ。
こいつがうちの俗に言う「幼なじみ」や。
髪伸ばすなや気色悪い、なんて思いつつ、
並んで揃ってだるそうに登校。
あ、うちはチャラくないからな。
眼鏡に黒髪、耳の下に二つくくりっちゅう
いわゆる「優等生ちゃん」。
こいつ…、あ、
「タク」、言うねんけど、
こいつはうちと真逆。
なんや髪茶色いし
襟足だけ無駄に長いし
かばんにやたら
でっかいキーホルダー付けとるし。
つまるところ、「不良。」

「なぁなぁミドリ、宿題」
「自分でやり。」
「う、んな事言わんで、見、せ、て?」
「キモイねんその言い方。」

血も涙もない?やかましいわ。
こいつ悪ぶってるくせに
そういうん気にするやっちゃからな。
矛盾してるっちゅうねん。
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