不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
「・・・うん。・・・アヤと同じね。」
マイの方の表情に変わりはない。
「てめぇ~!織田!」
いきなり後ろから、コウがリョウに掴みかかる。
「・・・・おい、山下。てめぇ~は、場所もわきまえないのかよ。考えて喧嘩売ってこいよ。」
リョウは、冷静なままだった。
「先に喧嘩売ってきたのはそっちだろ!」
コウは、完全に頭に血が上っている。
「だから喧嘩しねぇとはいってねぇだろ?ここは、場所が悪いって言ってんだよ。」
リョウの眉間にシワがよってきた。
なんとなくだけど、リョウが、かなり我慢しているのが、私にはわかった。