不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
「・・・いや・・・・あ・・・・」
コウの顔面は、完全に蒼白。
「最低ね、コウ!顔も見たくない!どっかいって!」
私は、コウを突き放す。
「・・・海堂・・・わるかったよ。」
コウは、小声でマイに謝り、その場を立ち去ろうとする。
「おい、山下。もうすぐ、マサヤが出てくるから、出てきたら、マサヤと一緒にお前、殺しにいってやるよ。」
立ち去るコウに、リョウが言葉を投げかける。
「マサヤが?・・・・いつでもこいよ。」
一瞬だけ立ち止まり、コウはリョウを睨みつける。
そして、コウは、もう立ち止まることなく帰っていった。