不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
入学式は、特に変わったところもなく、普通に終わった。
担任の先生は、特に変わったところもない、まじめそうな普通の男の先生。
12時に入学式が始まって、2時には、もう教室での話も終わり、1日目が終了していた。
(・・・早いね・・・)
私立だからだろうか、どこの学校でもありそうな校長先生の話も3分で終了。
生徒からしたら、うれしいんだけど・・・・ちょっと、物足りないかも。
放課後の教室といえば、生徒が残って無駄話をしているのが常だけど、さすがに初めてあった生徒が多いのか、微妙な空気。
それなら、帰ればいいのに、みんな、どうしていいのかわからない感じで残っている。
「ねぇ~、ルミ。帰りにカラオケよって帰らない?」
隣の席のミヤビが話しかけてきた。
「カラオケかぁ~・・・いいよ、行こう!」
せっかくできた友達だし、付き合いが悪いと思われるのも嫌だし。
ただ、今日出来た友達を2人で行くのは・・・ちょっと抵抗があるかも。
そんな不安が私の心をよぎる。