不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
「あんた本当にコウなの?」
私は、いまだに信じられずにコウに聞く。
5人組の男達は、可哀相にも30人の男達に連れて行かれた。
「何だよ、気づいてなかったのかよ。てっきり無視してんのかと思ったよ。」
「当たり前でしょ。そんな金髪な不良に道端で話かけられたら、誰でも無視するわよ!」
それにしても、コウの変わりようは凄かった。
さすがに6歳の時のイメージとは少しは違うと思っていたけど、まさかここまで変わっているとは・・・。
私より小さかったコウが、今は、私とは比べ物にならないくらいの長身。
しかも金髪。
ただ、顔だけは、昔のようにどこか女顔だった。
それだけに、ちょっとカッコイイと思ってしまう、自分が私は嫌だった。
(コウのくせに・・・)
「ねぇ~、ルミの知り合いの人。ちょっと紹介してよ。」
さくらと美咲が、うれしそうに私に小声でささやいてくる。
ただ、ミヤビとマイは、私達と少し距離をとっていた。