不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-


「あんた本当にコウなの?」


私は、いまだに信じられずにコウに聞く。


5人組の男達は、可哀相にも30人の男達に連れて行かれた。


「何だよ、気づいてなかったのかよ。てっきり無視してんのかと思ったよ。」


「当たり前でしょ。そんな金髪な不良に道端で話かけられたら、誰でも無視するわよ!」


それにしても、コウの変わりようは凄かった。


さすがに6歳の時のイメージとは少しは違うと思っていたけど、まさかここまで変わっているとは・・・。


私より小さかったコウが、今は、私とは比べ物にならないくらいの長身。


しかも金髪。


ただ、顔だけは、昔のようにどこか女顔だった。


それだけに、ちょっとカッコイイと思ってしまう、自分が私は嫌だった。


(コウのくせに・・・)


「ねぇ~、ルミの知り合いの人。ちょっと紹介してよ。」


さくらと美咲が、うれしそうに私に小声でささやいてくる。


ただ、ミヤビとマイは、私達と少し距離をとっていた。
< 26 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop