不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
第3節:お嬢様
「ルミ~!早く起きなさい!遅れるわよ!!」
階段の下から、母親が呼ぶ声が聞こえてくる。
「・・・もう・・・・うるさいなぁ~」
私は、寝癖のついた頭を掻きながら、ゆっくりと上半身を起こし、背筋を伸ばす。
そして、ベットの横の目覚まし時計を見る。
「・・・・・・・えぇぇぇぇ~!」
そこからの私は、まるで全開にネジを巻いたようにいつものスピードの3倍速で動く。
「ルミ~?朝からうるさいわよ?」
階下から母親が、注意する声が聞こえてくるけど、そんなのお構いなしに準備をする。
そして、台所に行って、お弁当を受け取ると、そのまま、「いってくるね。」と玄関を飛び出していった。
私が飛び出した後の玄関には、母親の「朝ごはんは~?」という声がむなしく響いていた。