不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-



外は、芝生に寝転びたくなるほど、いい天気だった。



「ねぇ~、見てよ~。」



ミヤビが、私とマイに手作りのお弁当を見せる。



「どうしたの、これ?」



私は、うれしそうなミヤビを見る。



「実は、私も、マイを真似て作ったんだ。」



「へぇ~凄いね。」



「へへへ~、あ、そうだ。昨日、マイからタコさんウインナー貰ったから、今日は、私が何かあげるよ。」



ミヤビは、お弁当の中から、シャケの切り身を取り出し、マイのお弁当の上にのせる。



「え、いいの?」



マイが驚いた様子でミヤビを見る。



「何言ってるのよ。マイだって昨日くれたでしょ?さぁ、さぁ、食べてみて。」



「うん。いただきます。」



マイは、シャケの切り身を一口、口に入れて、動きが止まる。
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