窓に影

 歩はごろんと寝転がり、腕を組んで枕にする。

 人の部屋で完全にリラックス体勢。

「あのなあ。俺たちだって普通の高校生なの。お前らとはちがって勉強もするけど、遊ぶときは遊ぶんだよ」

 お前らとはちがって……は、余計だけど。

 へえ、南高の生徒も遊んでるんだ。

 そもそも北と南で地域が違うからか、街で南高の生徒が遊び歩いてるのなんて見たことがなかった。

「小遣いくらいもらってるんでしょ?」

「もらってるけど、足りなくなることだってあるんだよ。男はさ」

「男は?」

 天井を向いていた彼が少し転がりこちらを向く。

「そ。例えば、女」

「お、女……? あんた、彼女いるの?」

 歩は彼女なんて言葉と無関係だと思っていたのに。

 同い年ながら「生意気だ」なんて思ってしまう。

「何だよその言い方。いちゃ悪い?」

 うわぁ、何だかよくわからないけど、ショック。

 自分が負けてる気がする。

 今まで勉強以外のことで歩に負けたなんて感じたことなかったのに。

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