ファーストキスは、最後のキス

ラッピング。




「ただいまぁ!!」


玄関を開けて、靴を脱ぐと、すぐに自分の部屋に行く。

ドアを開けて、ベットに腰を下ろす。


バックから、おみやげを出す。


やっぱり、初めに見るのは、ベリー・ベア。

パステルピンクのクマが、バスケットボールを持っている。


翔と、おそろい。


あ、でも、雅人のぶんもあるから、雅人ともおそろいか。

明日は、家でゴロゴロして、月曜日に雅人に渡して…でいいか。

でも、そんなことよりも…



「あぁ~…翔の私服、超カッコイイ~…」



枕に顔を埋めて、騒ぐ私。

なんか、有名人初めて見たときみたい。

大げさ過ぎか。

また、遊園地とか、どこか行きたいなぁ。

水族館とか、動物園とか、買い物したりとか、映画見に行ったりとか………

って、今日のは、お弁当のお礼だし。

もう、こんな日来るわけないか。

付き合わない限りは、無理だよなぁ。

友達として誘うとか、意識しすぎて"友達として"が消えていきそう。




ケータイを開いて、時間を確認する。

午後の7:19。

まだ、結構時間あるなぁ。

皆のおみやげ、可愛い袋に詰めて、プチレターでも書いてよ。



ベットから下りて、イスを引き机と向き合う。

引き出しから、手紙と、ラッピングセットを出して机に並べる。



「さあ、いっちょやりますか!」



カラーペンを持つと、私は作業に取り掛かった。
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