【短】王子様と罠に落ちた私
「倉田さん?いい?」
私に、再び話しかける上川君。
やばっ…
全然話聞いてなかった。
「あはは」
と乾いた笑いでごまかす私に、上川君がにやっと口の端をあげたのは気のせいかしら?
「それは了承ってことでいいのかな?」
なにやら念を押してくる上川君。
あっ、もしかして何か頼みごとしてきたのか!!
ならこれを断るわけにはいかないよね。なにせ、学園の王子の頼みごとなんだから。
だから、私はな~んにも考えず言ってしまった。
「うん」
と。