題 未 定
氷の溶けきったアイスティーのグラスが
プツプツと表面に水滴をつけている頃
あたしは那奈の言葉を
上手く働かない頭で
反芻するのに必死だった。
言葉がぐるぐると回り
どうにかなってしまいそうだ。
ただ一つ分かること。
明日からは愁斗と私はもう『2人』ではないということ。
別れるってきっと
そういうことなんだね。
「ごめん、葵。ちょっと電話。」
那奈がそういって席をたつのを
私はやっぱりぼんやり眺めていた。
窓の外に目をやると
道路を走る車が
やけにゆっくりと走ってるように思える。
昨日とは変わってしまった。
私の見るもの全てが
変わってしまった。
私は何も変わらないのに。
この頬をつたわる涙も
いつかは渇いてしまう。
このひりつく胸の痛みも
いつかは消えてしまう。
彼を好きだった気持ちが
本当に消えるのだろうか
涙が乾くように、痛みが消えるように。