萌えきゅん彼氏

元カレの存在





―――


「ごめん。」


帰り道。


すっかり暗くなった都会の街中を歩いているとさっきまでずっと口を閉じていた春が口を開いた。


「えっ?」


立ち止まる春に自然とあたしも足を止めた。


ざわめく人ゴミの中あたし達だけ時が止まっているように感じたのは気のせいだったのかな…?


「ごめんな?今日。」


見たことのない春の切なく潤んだ瞳に


ドキンッと胸が鳴った。


「えっ…あ。う、うん!平気平気!!あれあたしの勘違いだし。ホラ、だいじょ……ッ!!」


一瞬少し冷たい風が吹き、その後春の甘い匂いと春の温もりに包まれた。


「えっ!?し、しゅん?!!」


一瞬の出来事にうまく頭がついていけてないあたしの耳元で小さく


「黙って…。」


そう春が呟いた。




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