櫻吹雪
「アタシは、自分の力で頑張るんです。

コレやっても何も…
解決しないから…」


この間、いつかクスリを渡したいじめられっ子が俺の前に現れて言った。


俺は、心から謝って

返されたクスリを捨てた。




俺、今…ヒマワリになれたかな。


マツリ、あの日お前に出逢えてなかったらよ


俺はずっと咲けない月見草のままだったよな?


お前が教えてくれたんだ。


大事なことも


大事な気持ちも


大切にしなきゃいけないのも。


今日、思い出してたんだ。


お前と出逢った時を。


また折れそうに


しぼみそうになってた


俺を照らしてくれたよな。


お前との記憶がよみがえるたび


また光が差して


俺を照らしてくれるんだ。


全てを照らしてくれるから、


俺は太陽を探して


また


上を向けるんだ。


水があるから


俺はより太陽に近くなれて


横に咲く花があるから


孤独じゃなくて


小さくてもたくさんの輝きが


暗闇を明るく照らしてくれて


月があるから


暗闇だって上を向けるんだ。






ヒマワリが出てきて
ツキミソウは消えた。


だけど俺は俺で



いつだって俺の大切な心は



咲き誇っていてほしいんだ。



しぼんだってまた、上を向けるように





“光”を探しながら──…。










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