【短】隣のお兄ちゃんと私
「あ…あの、今日はお願いします」


とりあえず、こっちが家庭教師を頼んでいるわけだから、きちんと挨拶はしないとね?

そう思い頭をぺこりと下げる。


「いや…久しぶりだな」



う…低めのいい声。
私、この声に近くで教えてもらうなんて、耐えれるかな?



ちょっとお兄ちゃんは無愛想な感じだった。

でも、昔っからおにいちゃんはこんなもの。

だから、よく「冷たい」とか言われていたみたいなんだけど(弟の義人が教えてくれた)、自分の懐の中にいれた人間には、優しくしてくれているのが分かるんだ。

だから、私はちょっと無愛想なこのお兄ちゃんが大好きだった。




とりあえず部屋に上がってもらい、飲み物とお菓子を出した状態で向かい合う。



…き、気まずい。






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