赤い御守り



少年は、玲に再度問いかけた。



「死のうとしてたの…?」


見たところ、玲とそんなに変わらない年頃に、玲よりも低い身長の少年。


「……なんで…」



「え?」



「なんで助けるのよ!!」


そう言ってまた橋に手をかけようとする玲。



そんな玲を再び力づくで止める少年。



「や、やめて!!なんで飛び下りようとなんかするのさ!?」



「…私には……」



少年の戸惑いの目に、涙で霞んだ少女の目が映った。




「私にはもう!…私には…もう…私を大切に思ってくれる人なんて…いないの…」



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