昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


怒りとか、悔しいとか、悲しいとかそんなん全部飛び越えて、心ん中、スッカラカンになって。



でもただ、失いたくなかった。

…ただ、優子が泣くんは嫌やってん。




『ごめん…っ、かざま……っ』




あれから数日。
優子とは会ってへん。


会って何を言えばいいんかわからん。何を聞けばいいん。

…つーか、これから、どうすればええの。


正直会いたい。

会いたい。会いたいしめっちゃ会いたいし、触れたいし、なぁ、でも俺…怖いわ。


だって、会って普通に話せる自信ないねん。

その内容が全部、傷つくことになるってわかってるのに。

これで終わりって言われたらどうすんの。


なぁ。

優子に好かれてる自信より、ただつけこんでるだけちゃうんって不安のが、おっきいねん。

逃げとるだけやねん。


これっきりで終わりとか、そんなアホなこと。


なあ。付き合う、とか。



…彼氏とか、彼女とかってなんなんやろ。



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