昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
**
手をつないで走る、なんていつぶりやろ。
小学校低学年までかな。
かっちゃん、行くで!
ゆう、待ってや!
そう言い合って。
連なって走るかっちゃんとウチを、ばあちゃんが微笑ましそうな目でよく見てた。
思い出の中でばあちゃんが言う。
"勝はほんまに、優子のことだいすきやなぁ"
**
汗ぐしょぐしょんなって、たどり着いたのは本日三回目の神社裏やった。
体中べたべたや。浴衣って吸収力はあんま良くない。
静かな空気が、余計に呼吸の荒さを強調する。
鼓動が跳ねすぎて口からなんか出そうやった。
かっちゃんの背中が…かっちゃんが今、目の前におる。
繋がれたままの手。
かっちゃんはまだ、こっちを向かへん。
「──かっちゃ…」
「何してんねやろな」
同時に被った言葉。離れない手のひら。
振り返ったかっちゃんはやっぱり……幼くて、少し困った顔をしとった。
「何してんねやろな、俺。自分でもわからんわ」
「………」
「………なんで、」
かっちゃんの息も、ウチのと一緒で途切れ途切れや。
「なんで俺…こんなにお前に執着してんのやろ」
かっちゃんは。そう言って、握る力を強くする。
血管が圧迫されて、それは直接ウチの心臓に響く。
手をつないで走る、なんていつぶりやろ。
小学校低学年までかな。
かっちゃん、行くで!
ゆう、待ってや!
そう言い合って。
連なって走るかっちゃんとウチを、ばあちゃんが微笑ましそうな目でよく見てた。
思い出の中でばあちゃんが言う。
"勝はほんまに、優子のことだいすきやなぁ"
**
汗ぐしょぐしょんなって、たどり着いたのは本日三回目の神社裏やった。
体中べたべたや。浴衣って吸収力はあんま良くない。
静かな空気が、余計に呼吸の荒さを強調する。
鼓動が跳ねすぎて口からなんか出そうやった。
かっちゃんの背中が…かっちゃんが今、目の前におる。
繋がれたままの手。
かっちゃんはまだ、こっちを向かへん。
「──かっちゃ…」
「何してんねやろな」
同時に被った言葉。離れない手のひら。
振り返ったかっちゃんはやっぱり……幼くて、少し困った顔をしとった。
「何してんねやろな、俺。自分でもわからんわ」
「………」
「………なんで、」
かっちゃんの息も、ウチのと一緒で途切れ途切れや。
「なんで俺…こんなにお前に執着してんのやろ」
かっちゃんは。そう言って、握る力を強くする。
血管が圧迫されて、それは直接ウチの心臓に響く。