昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
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手をつないで走る、なんていつぶりやろ。



小学校低学年までかな。



かっちゃん、行くで!
ゆう、待ってや!

そう言い合って。


連なって走るかっちゃんとウチを、ばあちゃんが微笑ましそうな目でよく見てた。


思い出の中でばあちゃんが言う。




"勝はほんまに、優子のことだいすきやなぁ"











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汗ぐしょぐしょんなって、たどり着いたのは本日三回目の神社裏やった。

体中べたべたや。浴衣って吸収力はあんま良くない。


静かな空気が、余計に呼吸の荒さを強調する。


鼓動が跳ねすぎて口からなんか出そうやった。

かっちゃんの背中が…かっちゃんが今、目の前におる。


繋がれたままの手。

かっちゃんはまだ、こっちを向かへん。


「──かっちゃ…」
「何してんねやろな」


同時に被った言葉。離れない手のひら。

振り返ったかっちゃんはやっぱり……幼くて、少し困った顔をしとった。


「何してんねやろな、俺。自分でもわからんわ」

「………」

「………なんで、」


かっちゃんの息も、ウチのと一緒で途切れ途切れや。



「なんで俺…こんなにお前に執着してんのやろ」



かっちゃんは。そう言って、握る力を強くする。


血管が圧迫されて、それは直接ウチの心臓に響く。


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