昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

今日の授業は3コマまでで、バイトも無かったからアパートに直行した。


とりあえず眠い。

徹夜明けやから、その分寝て取り戻さなやってられん。


起きたらもう夜の9時やって、無性に炭酸飲みたなったウチはコンビニでも行こうと思て。

スリッパ引っ掛けて外に出た瞬間、不審人物Kに遭遇した。


「………」

「…よっ」

「よっ、…じゃないわかっちゃん…何か用け」


明らかにウチの部屋に入ろうとしてたであろうかっちゃん。

カギが壊れたまんまの窓に手がかかってる。


いい加減カギ直さなあかんわ…けどまた酔っ払いに壊されたら意味ないしな。


「ゆう、今から暇け?」

「今からぁ〜?」

「一緒に映画観よー、思て。DVD友達に借りたから」


先週、バレンタイン以降かっちゃんはよくウチに来る。

しかもちゃっかり朝食まで食べて行くから、ウチの米の消費がめっちゃ速い。


「…他の子誘って観ればええやん」

「アカンのん?」


スリッパからのぞいたつま先がツンと冷える。

かっちゃんも今帰ってきたばっかなんか、鼻先が赤くなってて寒そうやった。

スン、てかっちゃんが鼻をすする音がして。

炭酸の気分やったけど、まぁしゃーない。


「…お茶かコーヒーやったら入れたるわ」

「あ、俺ビールでええで」

「んなモンあるか」


ゲシッて背中を蹴って、かっちゃんを部屋ん中に入れた。


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