北千住奇想曲
1章:The north face
北千住で目が覚めた。
どうやら、寝てしまっていたらしい。

駅員に悪気はないだろうが、揺り起こし方が乱暴すぎる。

危うく吐く手前だ。
最悪の気分。


北千住から、ぼくが住む埼玉の越谷までは電車で二十分程度。

でも、この時間にはもう電車はすべて終了していた。

仕方ない・・・。
駅を追い出されるようにして西口へ向かう。


北千住では初めてだけど、終電後の駅前の様子はたまになら新鮮で好きだ。

酔っ払いか国籍不明な女性しかいない。

いつもとは違う風景。
少し肌寒い。

─ノースフェイスのウィンドブレーカーを着てきてよかった─

ノースフェイスの由来は
”登ることが困難な北壁(ほくへき)”
なんだそうだ。

まあ、そんなうんちくを最近覚えたぼくではあるが、まさか自分がそんな困難な壁にぶつかるだなんて、この時は考えてもみなかった。

数分後にぼくらは再会することになり、それで困難な壁ってのを身をもって感じることになるわけだけど・・・。
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