北千住奇想曲

しかし、まずは今の問題から片付けるとしよう。

「そんでさ、金とか将来とかの約束ってなんなの？」
谷沢藍は視線を右上にやりながらしばし思案した。

「うーん。出来るだけオブラートに包んで話したいとこだけど無理だ。だからまあ、ここだけの話ね」

「うん。了解」
まあ重めの話だもんな、そらそうだろう。

「将来ってのはさ、結婚だよ。あたしさ、早いとこしたいと常々思ってたの」

「それは意外」

「失礼な！まあ、しょうがないか･･･。普段を見てればねー。でもさ、実は昔からそう思ってたんだ。なんかさ、私両親とうまくいってなくてさ。彼らとは距離をおいて幸せになるんだって決めてんだ」

「なんで･･･それが結婚に繋がるんだ？」
いまいち谷沢藍の理屈がわからない。