戸惑いプリンセス


「そうだね。もうこんな時間だしね」


時計を見ると確かにそろそろ帰ったほうが良い時間だった。

けれど、和紗はもっとこの場所にいたい。

けれど、早くここから去ってしまいたいという思いもあって。


今は明らかに後者が勝っていた。


「じゃあ、またね」


そそくさと鞄を持ち、ドアを開けた。

部屋を出るとき、背後から「明日は遅刻はなしだ」と聞こえた気がしたが、和紗は振り返らなかった。



< 29 / 42 >

この作品をシェア

pagetop