純情BABY
じっとりとした視線を亜弥に向けてたら、マナーモードにしていた携帯が手の中で震えた。



『お?もう返事きたの?渋谷君返信早いね~。私シカトするんじゃないかと思ってたよ』



けらけらと笑いながら言う亜弥。



シカトはいただけないけど私も少しだけシカトされるかもという考えが頭をよぎっていた。


こんなにすぐ返事が来ると思ってなかったしとっても意外だと思ってしまった。



もしかして私からのメールだから、すぐに返してくれたのかな。



そう考えると、シカトされるかもと疑ってしまったことに罪悪感が出てくる。



疑ってごめんと心の中で謝りメールを開くと、宛先人には予想してた人物・渋谷の名前があって、それだけで顔が緩んだ。



ドキドキしながら本文を見てみれば、そこにはたったの一行、



“勝手にしろ”



とだけ書かれてあった。




・・・・・・・・なるほど。5文字しか打ちこまれてないいんだからそりゃ返信も早いわけだね。




遅くなるけど構わないか?とか。そんな風に気遣ってくれる返事を期待してた私がアホかと思うくらい至ってシンプルな返信内容。



そうだよね。付き合ってまだ少しだけど、すでに私を放置気味な渋谷がそんな労わりを見せるわけがないよね。




でも!



返事すぐくれたしダメとかイヤとか拒否されてない。



って事は、渋谷も多少なりとも会いたいと思ってくれてるってことじゃない?



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