【短編】泣きたくなったら
泣きたくなったら
昔から、よく我慢することが多くてなかなかそれを発散することもできなくて…

あたしはため込む。




今日だって正直に嫌と言えなくて、過ぎ去ってしまった。



あたしの手には日誌が置かれている。


ふぅっとため息をひとつついて、机にそれをおくと、今日の日付が書いてあるところを開いた。


日付以外まっしろなページ


ためいきをつく前に聞き覚えのある声が教室に響いた。


「ありゃ、また千秋は頼まれちゃったの?」
放課後部活だと急いでいった友人の愛美がユニフォームのまま現れた。

後ろを振り向くと、休憩なのか、スポーツドリンクを片手に立っていた。 

その顔は少し怒っていた。

まったくもぉーっと言いながら、愛美はあたしのすぐ隣に座った。


ごめん。


愛美にはいつも言われてるんだけど、なかなか直せないんだよね。



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