あいらぶゆー2
え?


消えつつある意識の奥底で、懐かしい声がする。


―――オマエさぁヤラレっぱなしで悔しくねーの?


朱兎(シュウ)…?


―――負けなんか、最悪じゃん。勝てよ。


この声…。


その瞬間、耳元の物凄い音と共に、目が覚めた。


ドカッ!


気づけば私の上に覆い被さった男の頭が、床に打ちつけられていた。


私の顔の真ん前に、白目を剥いた顔が見える。


「きっ…」


叫びそうになると、誰かに、突然口を塞がれた。


男の頭には、誰かの足先が乗せられていて。汚れたスニーカーの泥が間近に見えた。
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