あいらぶゆー2
「しぃーっ。誰か来たらどーすんの?」


小声で話す、私の口を手で押さえるその本人を見上げた。


黒い頭が見える。


腕組みして頭上から逆さまに私を見下ろしている一人のオトコ。


艶やかな髪が、印象的。


「…朱兎ぅ~!」


すぐに起き上がって、抱きつきそうになった。


でも体が痛くて起き上がれない。


「亜沙美ぃ、コイツ殺していー?」


朱兎が、男の頭に置いた足に力を入れ始める。


「朱兎が手汚す必要ないから。コイツは別の方法で報復してやる…」


「おー怖。オレ、亜沙美の味方で良かった。起きれるか?」


朱兎が手を貸してくれる。
< 38 / 582 >

この作品をシェア

pagetop